ヤクいぜ。

music

「ああ、そうですか」 もう誰にも何も言われたりしないだろう。虚空に足音が残響するだけだろう。産み落とされたコメントはいつだってどこへなりと消え果てることになる。それがどこに流れ着いたのかもう誰も知らないし、そもそも誰もそれを追いかけることす…

ゴールデンカムイ読み終わった

「ああ、それはどんな広さでしたか?」 俺は寝返った。 「どんな広さのところに置いてありましたか?」 男は力なくうなだれた。次の拍子に、別の空間で、二手に分かれた。 「ああ、どうしようもない!」 何をしても、もう遅い!どこに力があったのだろう、力…

midst

何が何なのか?何が何だろう。生きられる物語はやがて消滅してしまった。何が何なのか?いったい、彼はどこで生まれたのだろう。そう考えれば考えるほどに、生きられた現実が僕のなかに侵入してくることを僕は感じられないでいた。生きられた体験はどこだろ…

好きです

好きです。わたしと一緒に問題を解決したり、それが解決しない場合もありますが、特に上手に解決する場合もあり、たとえばそんなときにわたしと一緒に喜んでほしいです。わたしは問題を解決するのは得意ですが、喜ぶことはあまり得意じゃないので、二人にな…

Lightheadednessその5

「その一手間にどんな意味が?」 「それは、あらゆる一手間には一体どんな意味があるのか、という質問かね?」 「いえ、私はただ、あなたが納豆を小皿に移してから混ぜる意味を知りたいのですが」 「それは、私が行為するとはどういう意味か、という質問かね…

Lightheadednessその4

1 一度漕ぎ出した船はなかなか止まらない。止めることも場合によっては可能だが、それはたとえばそのまま曳航すれば誰か無実な人間を殺めてしまう、といった場合に限られる。よってほとんどの場合において、一度船を出してしまうと、あとは持ち前のバランス…

Lightheadednessその3

花子は化粧をするし、悲しい時は口紅を、憂鬱な時はゴールドのアイシャドーをまぶたに塗る。しかし、その日の花子のまなざしは、自分の中に轟く嵐を鎮めるかのように、何の下心もなく自分を見つめていた。燃えるような顔色に対して甘い口元、驚いたような目…

Lightheadednessその2

生肉を食べ過ぎたせいで頭痛がひどい。窓を開けたすぐそこに名前の方。一度は何も言わないつもりだったんだ。パジャマと洗面道具を取り出すと、ゆっくりと湯につかった。必要悪なんだけど、でも一晩考えて止めた。僕はスーツケースを開けて、そのことについ…

アジアの男性は彼のずさんなポエムを示します

ああ、燃え上がるように咲こうとして押し潰され、錆び付いてしまった感受性達よ……君たちはまるで錆びた煤色の鉄製如雨露だ……醜くくたびれてなお、花に水をやろうとする……。 ああ!分かっておくれ、君たちの、ひとつひとつのため息や、浅い眠りや、蕘のように…

俺と修羅

ゆきすぎた確信は 俺も修羅を行く いずれ神となるだろう 俺も修羅を行く いいか、俺がその神なのだ 俺も修羅を行く 俺というゆきすぎた確信は 俺も修羅を行く やがて主体をさり、無限遠へ遠ざかる 俺も修羅を行く それと同時に、すべてのすべてへと浸透して…

Lightheadednessその1

「最も深刻で深遠な問題や疑問や課題は、ユーモアの形でしか論じられない」 森影が静かに過って、朝の平穏の中、階段口から海の方へ動いていく。そっちへ目をこらした。磯の近くと沖合で海面の鏡が軽やかな靴を履いて駆け上がる脚に踏んづけられて白くなる。…

伝達をあきらめてみた

・世界が俺に傅かないのも、昔はもっぱらメガンテ的に自分と世界とを引っくるめて呪って酩酊と昼夜の回転の中で爆散って感じだったけど最近だと「ふん、おもしろい……」っていう魔王的な心地よさと共に一つまみの諦観を無視しながらそれに影響されるって形で…

だっこ

生活の中であんなこんな気付き、やはりありますが昔みたいにいちいちのべつ書き起こす気にならない。すべては相対的で内発的だという部分は不承不承賛同できるくらいにはなった(それも( ̄。 ̄;)←こんな感じでだけど)ですがそれを取り立てて他人に説明する力…

walking on cakeその10

「キメるのは後ね。スケッチブックは持ってきた?」 「はい」 「あのソファにケツを下ろそう」 隠蔽された形に近づきつつある。言葉を変えようと決心した時、抵抗の最初の結び目が有無を言わさずに現れた時、そして反復がそれらの特徴に侵入してきた時、物語…

なんもやりたくない

ここ1ヶ月何にも身が入らない。人生をやる気がしない。寝台で仰向けのまま飯と女だけが交互に運ばれてくるような生活に憧れを覚える。そのくらい怠惰でしょうもない感じね。ただ、上辺だけを切り取ったごく客観的な皮肉には耐性が付いてきた。1ヶ月のうち良…

walking on cakeその9

まず俺が鏡売りになる。シュルレアリストのバレエ舞台装置のような内装の店に、冷たくてつやつやした鏡をひとしきり揃える。そしてとびきり化粧が濃い女が店にやって来たらこう声を掛ける。 「鏡なんて買わなきゃいいのに」 すると客はこう返すだろう。 「ど…

walking on cakeその8

「歌うということはこういうことではないかな?」 意味のプールをバタ足で泳ぎ、論理とすばやいワルツを踊る。狂気とファックしたあと、関係と浮気する……。正常でもでたらめでもない! こんなの初めて! 的な。この前夢の中で映画をみて、それが今までみてき…

walking on cakeその7

テレビは12時のニュースを流していると思う。テレビがないので分からないのだけど。この「のだけど」というのが気色悪くて嫌いだ。「だけれど」も嫌いだし、「のだけれど」なんてサルのシットよりも見るに堪えない。俺はとらえどころのない壁を思わせる暗闇…

walking on cakeその6

「俺はマナーとして自殺を考えてる」 その後、サクラソウはすべて一度に鼻を擦り、酒臭い耳鼻咽喉科の医者に「鼻を弄り過ぎだ」と怒られる。あの頃の僕らは輝くものの床のようだった。日傘を差した白い象が、額に付けたダチョウの羽の花束をこの隅で縫うよう…

walking on cakeその5

OLのケーキは二段の石膏のプレートに乗って、下段にコーヒーゼリーとチーズっぽいケーキとマカロンと苺ムース。上段にマスカットとクッキーとモンブランがそれぞれ配置されていて、どれもケーキ屋がケーキ屋として儲かる範囲で意匠が凝らされてる感じで、OL…

walking on cakeその4

マッチョに突き飛ばされた拍子に擦り剥いた傷をシスターが甲斐甲斐しく手当てしてくれた。ぐだぐだに手間取ってやがったがな。可愛らしい修道服を着ていて、毛の処理がちょっと甘いんだぜ。後になっても何度も思い出す光景さ。ほとんど傾いた夕日が教会のス…

walking on cakeその3

ひどく酒が飲みたかった。金さえあればウィスキーをグラスになみなみと注いで、そのまま一口で飲み干したかった。教会に着くとアイロンの匂いとMozartのAve verum corpusが流れていた。入り口付近のとこで時計仕掛けのオレンジのジュリアンみたいな理知的な…

walking on cakeその2

病気、病気がちな妻、病気がちな妻と羊、いや、ヤギ、ヤギと沈丁花、虚けた犬が齧る浜梨の花、それから石楠花、福寿草、北こぶし、蕗の薹、水芭蕉。ああ、殺して、死んでくれ。彼方の稜線にイオンが広がっている。殺せ、殺して、死んでくれ。うるさいうるさ…

walking on cakeその1

「ダイクとニンフの違いは何か?って、それはお前、一目瞭然ってやつだよ。ダイクは枠組みと闘うが、ニンフは枠組みで闘うからな。最近じゃニンフも枠組みと闘うことを覚えたように見えるが、ありゃ『枠組みと闘うニンフ』って枠組みを世間様から与えてもら…

にゃんこ2

この時期でも仁川は暑い。マリファナが解禁されてもおかしくない気温だ。みんな平気な表情で歩いてる。みんな悲しいのか? こう紛れちゃ分からない。仁川はジャマイカより暑いらしいが、こっちじゃレゲエもダブも流行らない。 この家が壊れたあと、彼はDマイ…

にゃんこ

空がインドの一番汚い街に住んでるヤギのマンコのカスに見えたとき、僕は自分の精神状態が悪化しているのを悟った。さいわいテーブルに安物のブランデーがまだあったので、頭の中でどうにか朝をやりすごすプランを組み立てる。とにかくまずソファに座りこん…

思考回路を丸投げするから誰か解読して普遍的な文章にしておいてほしい

肝心なのは、我々が何かするときにはいつでもあらかじめ場が生成されるということだよ。場だよ、場。いや、あまりに抽象的で高度な議論だから、言語にうつすのはほとんど困難なんだけど、とにかく空気というか、場というか、理性の共通了解的な、あるいは独…

HAYATO's TREADMILL LIBERTY

ブログのタイトルをラット新しい注文からHAYATO's TREADMILL LIBERTYに変えたよ。意味は各自で考えてください。 前のラット新しい注文ってのはLATZ NEW ORDERのグーグル翻訳ね。そうなるとLATZ NEW ORDERがなんなのかって話だけど、意味は各自で考えてくださ…

日記 2022-09-02

インターホンの音で目が覚めた。一日はガスの点検の作業男と共にはじまった。まぶしい朝日にかすんでいる男は、一見それとは分からない達者な愛想笑いを口許に浮かべていて、私にはそれだけでこの若い男が既に熟練の作業員であるのが理解された。このような…

なんやねん

なんやねんこれ。ぱって気付いたらなんか布団の上に寝てたわ。枕も付いてる。なんやこれ。なんか模様あるやんけ。むちゃくちゃやん。なんで模様があることがあんねん。模様があるなよ、枕に。ほんで起きたらこれなんやねん。建物なんやねんこれ。ほんまむち…