ヤクいぜ。

にゃんこ2

 この時期でも仁川は暑い。マリファナが解禁されてもおかしくない気温だ。みんな平気な表情で歩いてる。みんな悲しいのか? こう紛れちゃ分からない。仁川はジャマイカより暑いらしいが、こっちじゃレゲエもダブも流行らない。

 この家が壊れたあと、彼はDマイナーの押さえ方を間違えて覚えていたんだけど、それがなんか逆にいい感じになってたんだっけ。確か三弦の二つ目のフレットを押さえなきゃいけないのに、奴は三つ目のフレットを押さえていやがってレとファとラのシャープになってたんだけど、次にくるEセブンスとAマイナーセブンスとの組み合わせで内声がラ♯→ソ♯→ソと動いていくのがよかったんだ。

 ああ、こんな記憶はどうでもよかったんだった。馬鹿っぽいよね。自分の記憶を大事そうに抱えて、まるで飼い犬でも毛づくろいするみたいに可愛がっちゃってさ、君もそんなもんのために生きてたくはないよね。ところであとで家に来ない? なんなら今からでもいいよ。六芒星のクッキーを焼いたんだ。コーヒーを飲みにくるだけでも構わないよ。

 なんで呑気にお菓子なんか拵えてるかって、働き始めてからしばらく経ったんで、生活リズムが整ってきたんだ。でも人の目の色が分かるくらい見つめ合うことにしか興味は無いけどね。そこは相変わらずだね。

 僕がこんな具合に話しかけると、僕に話し掛けられた女は辺りをきょろきょろしながら言った。

「ごめんなさい、急いでるんで」

 この娼婦が! 僕はプッツンきて言ってやった。そうかい、そりゃ素晴らしい! この世界にまだ急ぐべきことがあったんだね。人間と家畜の重さは違うからね。白人と黒人の使う物は分けるべきだし、部落の子たちとは遊んじゃダメだ。仕方ないから敵国に爆弾を落とそう、人殺しが快感でやめられないし、肉は美味しいから食べるのをやめるなんて想像できないな。ゲイバーなんか行ったらお前掘られるよ、屠殺場の映像なんて見たくないし、人肉が酸っぱいってほんとかな、政治とか興味ないけど、韓国人は犬を食べるらしいけど信じられないよね。鬱なんて誰でもあるんだし、中国では猿を食べるらしいよ。人間の子供は毎日牛の母乳を飲むってさ。ホテルまで行ってヤらせないとか可哀想だよ。命を実感するために野生の動物を撃ち殺す体験をしよう。ヴィーガンって流行りだし、死にたいなら死ねばいいのに、作家って儲かるんですか? 子供は黙ってなさい、私馬鹿だからな、一日どのくらいの動物が食べられるためだけに殺戮されているか考えたことある? 別に興味ないか、それっぽい感じに作ってよ、人生で一度はアウシュビッツ強制収容所に行っておきたいよね。ルールはルールですからね、ベジタリアンって偽善じゃない? 猫って最高ほんとに可愛い! ペットは大事な家族だもんね。でも植物だって命じゃん。意識高いな-、人生で一番嬉しかったことは我が子が産まれたことです。俺は誰とでもヤれるけど、今夜はご馳走焼肉だ。勉強すればするほど何も言えなくなっちゃうよね。あの子メンヘラだから、昔親に殴られてたんだ。新聞なんて読まないな、はいはいLGBTね、そんな短いスカート履いてたら触ってくれって言ってるようなもんでしょ、自分の正義を振りかざすなんて俺にはとてもできないけどな、遊びたいお年頃だもん。無理矢理されるのが好きなのかと思ってたし、売れなきゃ意味ないけど、男が奢るのがマナーでしょ。人生何やろうが自由だよ、拉致されて拷問だって、でも戦争ってなんでなくならないんだろう、魚なら食べてもいいか、人生楽しんだもん勝ちだし、友達がいじめられて自殺して死にました、ほんの悪ふざけだったんだ、遊んでただけで、止められなかったというか。

 そのとき別の女が僕に向かって歩いてきたんだ。虚空に向かって大声で喚き散らす僕に向かってね。

「ごめんなさい」女は言った。「兄はだめだって言うんです。あなたはもうひとりの人だって」

「そうかい」僕は言った。「だれだろう?」

 女がもういちど兄に話しかけると、短い返事がかえってきた。「それはなんでもいいそうです」女がとりついだ。「マーヤーにすぎないからです」

「マーヤーってなんだい」

「この世の仮の姿です」と女はこたえた。「でもそれは、幻影にすぎないのです。大事なのは、アトマンだけです」それから、女は兄に相談し、確信に満ちて言った。「大事なのはアトマンです」

「それじゃ、アトマンってなんだ」

 僕の無智に女はにっこりした。「The soul. 個人のたましいです」

 やれやれ、こいつもキチガイか。僕は微笑み返して踵を返した。人は生きながら、もう分かち合えないところで会えなくなってしまう時がある。忘れられない言葉がいくつもあった。どんなに見つめても光らない真っ黒な眼球も、僕が歌ったときにだけ微かに光った灯火も、トランクに詰め込んだ分だけ壊してしまった。今なら分かる。声だけを確かに信じてる。キャンバスを置いて、君たちに手紙を書くチャンスをずっと待ってるんだと思う。

 やがて朝になると僕はヤギたちとお散歩した。奴らめ葉っぱならなんでも食べやがる。僕が昔住んでた家が瓦礫になっているのを通る。かつての壁の上でインド人3人が煙草をふかしていた。輝かしい天気だ。僕はピースな気持ちでCrumbの新譜を聴いている。配信に歌詞がついてないのが気に入った。あの顔はなんなんだろうね。妙な顔だ。興味はないけどちょっと笑える。人は生きてる。顔って不思議でjpegは気分が悪くなる。自分の顔は歪んだままだ。

 写真を撮ってみることもある。それらしく見えたら安心で、でもぜんぜん違う。いつか馴染んでいけるだろうか。声を知って、違和感なく、意図せずに、笑ったり喋ったりする。思い出について思い出す。こういう歩き方をずっと続けてきた。ボタンひとつで変わる暮らしだ。勘違いを繰り返すならいつかまた別の形で訂正しよう。共有できる次元は二つじゃないだろう。また何かを辿る。数を数える。君は地図が好きだった。光の反射で手を繋ぐ。かくれんぼはもう終わりで、夕方のチャイムが聞こえる。まさかあの日と同じみたいだ。

 無限は心の中に、手のひらは太陽に、疲れた顔はもう見たくない。また一人で街を見ている。

 手紙を燃やす音が聞こえる。細胞は絶え間なく移り変わる。弾ける音に耳を澄ませる。鼓動を信じてる? 世界を繋いでいく。今会うよりも確かなリズムで瞳の裏をさまよった。

 何度でも思い出す。風通しの良い道に出る。何も気にならない。この体も、人の行方も。口の中で転がす飴玉。冷たい氷の味がする。

「合言葉を決めようか」男が言った。

 目を開くタイミングを合わせるために肩を解いて女が言った。「何も決めない方がいい」

「誰もそんな話してないよ」僕が言う。

「分かってくれ」と誰かが叫んで、「誰も君を分からない」とみんなが言った。

 脳を動かす。ステップ、また一礼。

「何が見える?」男が言った。

「何に見える」僕が言った。

「話さなくていい」男が言った。

「独りにしないで」女が言った。

「また同じドア」みんなが言った。

「装いを変えよう」男が言った。「真顔はどんな顔?」

「何から話そう」僕が言った。

「誰に?」女が言った。

「分からないフリだ」男が言った。

「一人にしてくれ」僕が言った。

「あなたこそ」女が言った。

(一同笑)

 時折重なって、愛が潜む紅茶の香り。また一礼。

「どこにいるの?」女が言った。みんなが目を瞑る。

「もう眠る時間だ」僕が言った。

 赤ん坊が笑ってる。神様の上で見たこともない翼を広げて。綺麗な顔だね。僕は床に置かれたおびただしい蝋燭のあいだを縫って歩き、階段を降りていった。後ろから歌が聞こえる。

 

  グリッグじいさん

  ぶたをかってた

  クローバーばたけで

  ぶたっこしんで

  じいさんないて

  それでもうたのしいことはみんなおしまい

 

 なんて奴らだ。死んでしまえと僕は思った。階段を降りきって、ドアから外に出る。眩しい日差しにやられて陽炎が踊る。がらんとした改札を通り抜けて、門戸厄神まで行った。

 食堂かと思って入ったところがバーだった。昼はランチをやってるらしい。黒っぽくて狭いカウンターの一番奥に、サラリーマンが二人座っていた。

「芸能人が一般人よりも高いステップを上り、謎のベールに包まれながら気迫のこもった演技で魅せる、あるいは歌で人を引き付けると言う時代は終焉に差し掛かっている。らしいぜ」

「甘噛乳首にそう書いてあるのか?」

「ああ、書いてあるさ」

「じゃあどうやって生計を立てているんだ?」

「アルバイトか実家が金持ちがのどちらかかな」

「ミュージシャンと変わらないな」

「芸術なんて大体みんなそうさ。あってもなくても困りゃしない。有事になったら一番最初に切り捨てられるのが芸術さ。ところでさ、じゃあどうやって生計を立てているんだ? ってまったく前後関係ないよな? なんのじゃあなんだ? というかだったんだ?」

「いや、それ言ったのお前だよ」

「そうだっけ?」

「カスタマーサポートに電話するのが面倒だから書き続けさせてくれ」

「書き続けさせてくれって斬新な物言いだな」

「一番楽だからな」

 店のテレビで流れているTony ConradのThe Flickerの再放送を眺めながらそう答えた。サラリーマンはまたしばらく考え込んだ。

僕は思い切って声を掛けることにした。

「ねえ、生身の人間はどう? 大抵のことは許せない?」

「どうかな? そんな風に真剣に考えたことはないね。でもそういった切羽詰まった状況に追い込まれたら、そうなるかもしれない。許せなくなるかもしれない」背の高い方のサラリーマンがそう答えた。

 娼婦がやってきて、新しいビールを二本置いていった。

 すべての娼婦の足元で。僕とサラリーマンだけだった。次のような話をした。娼婦の名前。ときどき、黙ったままだった。

「許せなかったらどうする?」

「殺す。確実に息の根を止める」

 別のサラリーマンは困ったように首を振った。カウンターがガタガタ揺れて、僕の鼻が顔面に直撃した。獣臭さと土臭さと鉄の匂いがして「キーン」という音と、当たったところが巨大化したような「ボワーン」とした感じがする。

「不思議だね。僕にはよくわからない」

「最近は電話っていうよりチャットとかで対応してくれるんじゃない?」

「カスタマーサポートの話か」

「じゃあやってみよう」

 点を打つだろう。それはもう出来上がった点のように思える。そこに現在の自分が降りてくると点が反応して現在の自分に対応して喋り出す。

 顔面の痛みを堪えながらサラリーマンのグラスにビールを注いでやったが、彼はまだしばらく考え込んでいた。

「この前、最後に本を読んだのは去年の夏だったよ」

 サラリーマンがそう言った。サラリーマンがいた。サラリーマンと会話ができるし、いなくなっても探せる。安堵した。

「題も作者も忘れた。なぜ読んだのかも忘れた。とにかくね、男が書いた小説さ。タイトルは『万年の愉楽 紅椿姫』著者の名前は三好夏輝」

「ちゃんと覚えてるじゃないか」

「忘れたね。信じられるかい? なぜそんなことまで小説に書く? 他に書くべきことはいくらでもあるだろう?」

「そんなことはないさ。書くことがないから、みんな書くことを求めて必死なのさ。人間が思いつく範囲の書けることなんてもう出尽くしてるのさ。評論家も同じだよ。評論するものがないから理論化して評論というものを捏造する。そうしないと評論する対象が無くなるか、食い尽くされた残骸しか残っていないから、みんな生き残るために必死なのさ」

「生存の為に書くということか?」

「さあね? そういう自意識があるかはともかく、〈何か〉を求めて書いてる人は少なからずそうなんじゃないのかな」

「俺は御免だね。そんな小説は。反吐が出る」

 サラリーマンは頷いた。

「俺ならもっと全然違った小説を書くね」

「例えば?」 

「こんなのはどうだい? 彼らは自分たちが追っているものを、他の誰が追っているのか。嫉妬に駆られ、時間を共有できない。他の人がいるかどうかもわからない。相手がいるのかどうかもわからないし、誰がいるのかもわからない。だから、お互いに侵入し合う。偽情報を流されるのを恐れて、自分たちの偽情報を少し出す。偽情報を流されるのを恐れて、自分たちも偽情報を流す。唯一分かっているのは、誰かが自分たちの求めるものを手に入れたと言ったのに、自分たちが手に入れていない場合だ。もし、向こうが手に入れたと言いながら、それを隠してしまったら、手に入れてないことを証明する方法はない」

「暗号合戦的な? ポストモダン的な? そういう意味が分からないのはいっぱいあるよ。怒らないで聞いてほしいんだけど、『俺ならこんな小説を書くな』程度の思い付きで書ける小説なんて、有名作家、無名作家含めて世界の誰かが似たようなのを書いてるさ。どう足掻こうとその事実は変わらない。書いたところでそれが変わるわけじゃない。僕らは複製しか作れない。オリジナルだと思っていてもそれは無知による勘違いだ。真実ってのはいつも残酷だろう? 恋愛経験がないやつが恋愛に幻想を抱いて、色々と経験してそれに幻滅する。もう恋愛なんてこりごりだと思う。現実もそんなものだろう。夢は真実によって砕かれる運命にあるのさ。いつのどこでもね。でも夢を見る権利は誰にでもある」

 ビールを一口飲んで頭を大げさに振った。アルコールを飲んで頭を振ると気持ち悪くなる。ニンジンと豆の大興奮。こんな小さなバー、ただの通りの真ん中の惣菜屋、物語を掴め! 僕を選べ! あなたは僕を連れて行かなければならない。

「今後のピアノの演奏と言えばこうなるんだよ」

 と言ってサラリーマンはバーのピアノに腰をかけた後、ピアノの上で逆立ちをして見せた。

 守安祥太郎が晩年に同じようなことを言っていたような気がする。サラリーマンはそれを知っているのだろうか? I want to be happy。俺も幸せになりたい。誰もがそう望んでいるから『俺も』ということはないだろう。でも問題は幸せである人間には幸せであるという自覚がないことだ。

「幸せだね。それって」

 とかって他人に言われないと分からなかったり、そう言われても実感が湧かないのが幸せということだ。なんちゃって。なんちゃっても何回も使ったら使えなくなる。一発ギャグを連発したら一発ギャグじゃなくなる。FF7のリメイクのジェシーの「なーんてね」の回数は絶妙だ。

「なんだかくだらないよな。バカげてるよな」

「まあ聞けよ。それから俺たちは二人隣り合って海に浮かんだまま世話話をするのさ。現代ギャルのセルフイメージは大きく変化した。受動的な彼女、仰向けになるエロ過ぎる体、新しいコンセプトで新しいコンセプトは、彼女をサドルに乗せ、ここにブーツを履かせること、だとか、そう言った話をね。そして二人でビールを飲むんだ」

「ブーツとビールか。好きなものが二つだ。現代ギャルは端的に最高だ。現代ギャル嫌いの男なんていないだろう。『俺、ピーマン苦手なんだよね』みたいな、好き嫌いがあるものじゃないよな。概念カテゴリ的に。ツナとかハムみたいな好きな人もいれば、特に好きでもない人もいるけど、食べれないほど苦手だっていう人を探すのが大変なくらいのものだよな。でもちょっと待ってくれ。現代ギャルとブーツは気に入った。でも一体どこにビールがあるんだ? 海に浮かんだままなんだろう? 俺はリアリティを重視するから、リアリティがないものに没入できないんだよね。それ以前に、俺の好みとは別に、写実的な意味からも、海の上のどこにビールがあるんだ? ってことになるだろう?」

 サラリーマンは少し考えた。そして僕は終わりのない通路を、バーのバリケード間に動き、安定した流れに身を任せる。店内を見ても決して戻らず平然とすらしている。そしてまた持ち芸だとも言わんばかりにバーのピアノのところに戻って弾けないくせに弾くフリをした後、逆立ちをした。ピアノの強度が凄いと思った。弾けない癖に楽器を弾いているフリを宣材写真に使ったりするやつは間違いなくアホだ。全員地獄に落ちるはずだ。だからサラリーマンの逆立ちはまだ音楽に対して誠実だろう。

「うん」

 サラリーマンはそこで一息ついてビールを飲んだ。でもそれはビールというよりも麦酒という感じで、読み方はムギシュと読むのだが、麦の酒なのかと思うとビールの清涼飲料水的なイメージが覆るから驚きですね。ビールばかり飲んでいて何も腹に入れてないから気持ち悪くなってきた。ビールでダラダラすると眠気覚ましにエナジードリンクを飲む。結局、一日何も食べずにアルコールとカフェインのループになる。いつか死ぬと思う。

 実際に食道やら胃が荒れているのだろうなというのがすぐに分かる。というのも口の中が彫刻刀で乱雑に切り付けられたように、もしくは小さくなった居合の達人が口の中に入って剣術の稽古をしているように、でも達人だから壁に擦ったりしないはずだろう。

 ということは彫刻刀を持った野蛮人が口の中にいて、彫刻刀を振り回してできたランダムな傷ということにしておこう。新選組はヤンキー集団だった。今で言うところの。剣術は綺麗なものではなくて殺人術なのだから、日本刀を使った喧嘩術のようなものが、仰々しい武術としての剣術より実戦で強いのは明白だ。実際に新選組は道場ルールでの他流試合では弱かったのだが実戦ではもっぱら強かった。ようは喧嘩が強かったということだ。

「それでまた二人でビールを飲むんだ? 彼女は現代ギャルなの? 例の」

「違う。それは現代ギャルのセルフイメージの話なんであって、彼女の話じゃない」

「ブーツを履いているのか?」

「お望みなら」

「それだったらブーツとビールで納得がいくな」

「でも悲しくないか?」

「さあね」

 と言った。

 

 

 

 僕はあまり健やかな人間じゃない。だからってわけじゃないけど健やかさについてよく考える。言葉をあまり知らない。だからってわけじゃないけど言葉についてよく考える。文字がすごいと思ったから、本棚が足りなくなった。僕が本を読むたび、君は嫌な顔をする。ひとつ黙るたび後ろに下がる。またひとつ、またひとつ、すると周りには誰もいませんでした。君は満足そうに肯く。水滴が撥ねる。光に満ち溢れ、あちこちから悲鳴が聴こえる。僕は今日ベッドから起き上がり、文字を書きました。炎の在処に蓋をして、今日でさようなら。もうあれから10年経った。街へ行こうか。目を合わせるために、並んで歩けるように。また、同じに気持ちになれますか。手を握ったら、怖がりますか。どうかお願いします。床でパンでも齧ろうよ。