ヤクいぜ。

2023-01-01から1年間の記事一覧

Lightheadednessその5

「その一手間にどんな意味が?」 「それは、あらゆる一手間には一体どんな意味があるのか、という質問かね?」 「いえ、私はただ、あなたが納豆を小皿に移してから混ぜる意味を知りたいのですが」 「それは、私が行為するとはどういう意味か、という質問かね…

Lightheadednessその4

1 一度漕ぎ出した船はなかなか止まらない。止めることも場合によっては可能だが、それはたとえばそのまま曳航すれば誰か無実な人間を殺めてしまう、といった場合に限られる。よってほとんどの場合において、一度船を出してしまうと、あとは持ち前のバランス…

Lightheadednessその3

花子は化粧をするし、悲しい時は口紅を、憂鬱な時はゴールドのアイシャドーをまぶたに塗る。しかし、その日の花子のまなざしは、自分の中に轟く嵐を鎮めるかのように、何の下心もなく自分を見つめていた。燃えるような顔色に対して甘い口元、驚いたような目…

Lightheadednessその2

生肉を食べ過ぎたせいで頭痛がひどい。窓を開けたすぐそこに名前の方。一度は何も言わないつもりだったんだ。パジャマと洗面道具を取り出すと、ゆっくりと湯につかった。必要悪なんだけど、でも一晩考えて止めた。僕はスーツケースを開けて、そのことについ…

アジアの男性は彼のずさんなポエムを示します

ああ、燃え上がるように咲こうとして押し潰され、錆び付いてしまった感受性達よ……君たちはまるで錆びた煤色の鉄製如雨露だ……醜くくたびれてなお、花に水をやろうとする……。 ああ!分かっておくれ、君たちの、ひとつひとつのため息や、浅い眠りや、蕘のように…

俺と修羅

ゆきすぎた確信は 俺も修羅を行く いずれ神となるだろう 俺も修羅を行く いいか、俺がその神なのだ 俺も修羅を行く 俺というゆきすぎた確信は 俺も修羅を行く やがて主体をさり、無限遠へ遠ざかる 俺も修羅を行く それと同時に、すべてのすべてへと浸透して…

Lightheadednessその1

「最も深刻で深遠な問題や疑問や課題は、ユーモアの形でしか論じられない」 森影が静かに過って、朝の平穏の中、階段口から海の方へ動いていく。そっちへ目をこらした。磯の近くと沖合で海面の鏡が軽やかな靴を履いて駆け上がる脚に踏んづけられて白くなる。…

伝達をあきらめてみた

・世界が俺に傅かないのも、昔はもっぱらメガンテ的に自分と世界とを引っくるめて呪って酩酊と昼夜の回転の中で爆散って感じだったけど最近だと「ふん、おもしろい……」っていう魔王的な心地よさと共に一つまみの諦観を無視しながらそれに影響されるって形で…

だっこ

生活の中であんなこんな気付き、やはりありますが昔みたいにいちいちのべつ書き起こす気にならない。すべては相対的で内発的だという部分は不承不承賛同できるくらいにはなった(それも( ̄。 ̄;)←こんな感じでだけど)ですがそれを取り立てて他人に説明する力…

walking on cakeその10

「キメるのは後ね。スケッチブックは持ってきた?」 「はい」 「あのソファにケツを下ろそう」 隠蔽された形に近づきつつある。言葉を変えようと決心した時、抵抗の最初の結び目が有無を言わさずに現れた時、そして反復がそれらの特徴に侵入してきた時、物語…